2回目の打合せでは、私たちが前回建築家に伝えた内容をもとに図面に変更が加えられていますので、その内容について話し合いをしていきます。
私たちが今回リノベーションするのはマンションなので、できることは限られてきます。
要するに構造体から全てを作る訳ではなく、構造体はもうすでにコンクリートのものがありますので、主には間取りが話し合いのメインとなります。
間取りを決めるものの要素に水回りがありますが、こちらを大幅に移しますと不具合を起こす可能性があります。また工事費も高くなってしまいますので、水回りの位置は変えずに間取りを最大限工夫するというのがポイントです。
そこがリノベーションの面白いところです。
ただ単純に間取りをあれこれ変えたり、キッチンやお風呂の交換だけなら建築家に頼む必要はないかもしれません。
今回建築家に依頼したのは、限られたスペースを工夫して、詩的な雰囲気を出してほしかったからです。今度移るマンションは広さは92㎡ありますが、所在階は4階で周りの景色はあまり抜けません。なのでできるだけ部屋の中で完結できる詩的な雰囲気が必要だと思いました。
そして普遍的な価値のあるものを作りたかった。
現状、世の中によく見受けられるリノベーションは、キッチンや台所、水回りを新しいものに交換して壁紙交換するぐらいの工事が主流ではないでしょうか?
そのような工事は住む人の「住み方=スタイル」を考えていないので一見新品で気持ちが良さそうですが、結局住みづらくなってしまうと思います。人によって暮らし方は様々なので、本当は「住む人があってのリノベーション」であるべきだと思います。
私たちがしたかったのは、自分たちの「住み方」を反映させられるリノベーション。人によって暮らし方は様々ですから、そのスタイルを実現できればもっと暮らしやすくなるのではないかと思いました。そうやって作り上げた住まいは、きっと価値を持ち子供達に残していける。アートのような感覚でしょうか。自分たちの親はこういう暮らしをしているんだという記憶は持ち続けて欲しいし、創意工夫は伝える価値のあるものだと思うからです。
そして手嶋さんの提案してきた間取りは、、、、
限られた空間の中で、『広さを感じさせる工夫』をしている箇所が随所に見受けられ、さすがだなと思いました。手嶋さん曰く「限られた場所だからこそ回遊できる箇所があると広く感じる」とおっしゃっていました。
リノベーション前の間取りとは全く異なる2つの動線が図面には存在しています。
その2つの動線は、回遊できるように工夫されているのです。
そしてマンションという平坦な空間を「広い場所」「狭い場所」と上手く絞っていて、その空間の絞り方が絶妙だなと思いました。
そして光。今度のマンションは向きが北〜東の角部屋なので光の陰影をどれくらい感じられるか私も気にしていました。部屋の中で直射日光が入ってこなくても、陰影を感じて過ごしたいというのが私の希望でした。
手嶋さんは「玄関から見える光」というのをとても意識してくださって、その風景を詩的に切り取れるように玄関〜廊下を作ってくださっていました。
そこが手嶋さんが魅力的なところ。
ただ書斎の位置が「和室と少しでもつながった雰囲気で作りたい」という主人の希望を叶える場所にはなかったので、WIC、子供部屋、書斎、和室の部分の並びをもう少し工夫してもらうことにしました。
キッチン、リビングダイニング、和室に関しては考えられた間取りでしたので、パーフェクトに近いなと思いました。空間はベーシックに作って、家具でアクセントを付けることができそう。家具もインテリアの重要な要素です。今回間取りにあっているダイニングテーブルや椅子を手嶋さんにオーダーしたいと考えてます。ただ手嶋さんよりも私たちの方が、モダンスタイリッシュ好みの要素が強いと思うので、それを家具で上手く反映してもらいたいなと思っているのですが・・。こちらもまたご報告します。
全体的には今はまだ間取りの段階なので、素材とかそういう全体の印象を決めることはしていません。まずはどんな風に生活できそうか。それによって平面図や展開図を書いてもらって、実施設計が次回の3回目の打合せで出揃う予定です。
新たな住まいのイメージが大体掴めてきました。