2014年6月17日火曜日

ビフォアのWeb内覧会

現在、リノベーション計画は建築家 手嶋保さんと進めており実施設計の最終段階にきています。そして設計と同時進行で進められていた新居である中古マンションの引渡も無事にすみました。内覧会でもご案内させていただきましたが、HPでもアップしたいと思います。

まずはビフォアから。
図面を最初にご覧ください。
方角で表すとマンションはこのような図面になります。
西


ご案内するにあたっては玄関から入ってまっすぐ進む感覚でご案内したいので90度回転させます。

図面下の玄関から入っていきましょう!



●玄関
玄関は内廊下式です。今までポーチがあるマンションに住んでいたので、ポーチにベビーカーを置いたり傘を置いたりして便利に使っていました。玄関開けてすぐ廊下という内廊下式にはまだ心理的に慣れません。


●下駄箱スペース
玄関入ってすぐ右側にある下駄箱スペース
下駄箱の上が大理石風になっています。バラの花が似合いそうでバブリーな雰囲気を感じます。ただ決して雰囲気は悪くありません。



●廊下
ドアを開けて広がるのはこんな雰囲気です。
玄関、廊下はゆったりしています。
今までポーチが担っていた玄関のゆとりのスペースをどこかに作りたいと建築家にお願いしました。玄関を出るまでにワンクッション心理的に必要なのだと思います。

玄関の先に見える風景はただの壁です。
突き当たって右側が主寝室、真ん中が洋室1、左側の突き当たりが洋室2と並んでいます。その手前にトイレ、向かいが浴室。トイレの手前の廊下から居間・食堂、さらにその手前が台所という並びです。

しかし今の間取りだと、それぞれのお部屋に行くのに廊下を随分と回りこんでたどり着く感じがします。そして行き止まり!みたいな。。

ここから進んですぐ右側に台所がありますが、このように壁で仕切られています。
まるで合成写真のようですが、実際のスケール感でこの写真です。



●台所
台所は25年経っている割には大変綺麗です


奥は冷蔵庫置き場でしょうか。行き止まり感がすごくあります。

この部屋の間取り自体、玄関入ってすぐに台所という変形です。この部分はやっかいさ80%、面白さ20%かなと思います。
水回りの変更を大幅にするのは大変なことですから、既存をなるべく生かす方向で考えると、この台所を一体どのように工夫できるのかが一番のポイントだと思いました。


●居間・食堂(13.8畳)
向きは東南。現在は道路に面してこの開口だけなので、ほとんど風の通りがありません。
左側が主寝室となりますが、壁で仕切られているので居間・食堂は広さがある割に細長いだけの印象を受けます。



●主寝室(8.5畳)
13.8畳の居間・食堂に隣接しているにも関わらず、壁で居間・食堂とは完全に仕切られて独立した部屋になっています。部屋自体は北東角部屋なので、1番明るくて開放感を感じますが回り込んでたどり着く感じ故、存在感が薄く部屋の良さが全く発揮できていません。
この間取りの悪さが既存のままリフォーム無しで住みたい方たちにとっては、購入の際の最大のネックとなったのではないでしょうか?



●洋室1(4.6畳)
仕切っただけの部屋。収納はきちんと付いています。北向き。サンシャイン60に向かって視界が抜けるので開放感がありますが全然生かせてません。


●洋室2(約5.9畳)
それなりに広さのある部屋。北向き。窓の正面は道路を挟んでマンションがあり視界が抜けません。この部屋もただ仕切っただけという印象。収納はあるけれど部屋にいて楽しみがひとつも無いように思いました。

この窓も角度を変えて外を眺めれば、やはりサンシャインが見えるので、現状のままでは大変惜しいと思いました。空間はそれぞれの位置によって、良い風景や風の流れ、視界があるので、マンションであってもそれを生かして暮らすことで日々の生活が楽しくできるように思います。狭さを感じて毎日暮らすことだけはもう嫌なのです。南向きどうこうよりも広さが欲しいのです。東京では。


●浴室
25年間交換していないお風呂。でもまだ使えそうです。妙にがっちりしていて厚みのあるバスタブです。レトロですが、ユニットバスとしては最近のタイプのものより高級感が漂います。古いホテルの浴室みたいだと思いました。
予算の関係でここを交換しないで扉だけの交換にする可能性も選択肢の1つとして残っています。


●トイレ
広々としたトイレ。
しかし、このトイレの位置は今回リノベーションをするにあたって、少し動かすことが全体の間取りのバランスにおいて大変重要なポイントとなりました。ちなみにトイレの設備に関しては全て一新する予定です。




手嶋さんが言ってました。「僕たちが120%以上の力を出すことは当り前ですから。それ以上にお施主さんを満足させられてこそ建築家に頼む価値があると思うので」

プロ意識を感じる魅力的な言葉です。

変形の間取りを快適に暮らせるように考え尽くしてもらって、なおかつそこに詩的な雰囲気を漂わせてもらいたい。そう願って手嶋さんに依頼したのでした。建築家は芸術家。芸術っていうと重々しく感じますが住まいはやはりアートだと思います。

手嶋さんにお願いする前にリフォーム会社2社に提案をしてもらいましたが、値段も高く、自分の意見を思いっきり反映させてもらった末の空間は何とも・・・・メリハリに欠けて、まとまりが無くリフォームしたいとすら思えなかったのです。詩的さなど皆無。
「このままでもいいか」とすら思いました。

それは器が好きで自分で作ってみたものの、その出来に満足できなくて割る感じと似ています。笑。自分の好みを全て反映させたから良いものが出来るとは限らず、正確に言うのであれば、自分の好みを伝えて専門家の経験とセンスに基づく的確なアドバイスやスケール感、素材の調和、ディテールのこだわりを取り入れるともっと良いものが出来るということだと思います。

空間というのは、10センチ、20センチ、1m、2m、、、、ほんの少しのスケールで生きるか死ぬか大きく変わっていきます。それがマンションという単調な空間であれば尚更、少し空間を絞ったり、広くしたりメリハリを持たせることで大きな効果を生み出すのだと思います。

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